認知症になると、お金や財産についてどんなお困りごとが出てくるのでしょうか。
そして、そうならないために今のうちからどんなそなえができるのでしょうか。
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資産凍結に関するそなえ
銀行のお金や株式、不動産などは、ご本人の意思確認が出来なければ各種手続きが行えません。
したがって認知症を発症しご本人の意思表示が困難になった場合、「お金が下せなくなる」「株取引ができなくなる」「所有する不動産の売却ができなくなる」といったお困りごとが出てきます。
また意思表示ができないということは遺言もできなくなり、ご本人の希望通りに財産を遺すことが難しくなります。さらに相続対策を行うこともできず、相続トラブルが発生することも考えられます。
そなえ方法
1.家族信託
ご本人が認知症になる前に財産の管理をご家族に託し、元気なうちから財産管理をご家族に任せておく方法です。
2.任意後見制度
ご本人が認知症になる前に財産管理を任せる人をあらかじめ決めておき、認知症になったときにその人が財産管理をする方法です。
3.生前贈与
ご本人が認知症になる前に、財産をご家族などに贈与する方法です。
■認知症になると、財産はどう管理されるの?
認知症などで意思確認ができなくなってしまったご本人に代わって、裁判所のお墨付きをもらった「後見人」がご本人の代わりに身上監護(身の回りのお世話)や財産管理をする「成年後見人制度」という制度があります。
成年後見制度には家庭裁判所が後見人を選任する「法定後見」とご本人が後見人を選任する「任意後見」に分かれています。
任意後見は後見人を誰にするかあらかじめご本人の意思によって決めることができますが(上記、そなえ②)、法定後見は最終的には裁判所が選任するため、ご本人やご家族が希望しない人が選任される可能性もあります。したがってご本人の希望や思い、ご家族の考え方を汲んだ財産管理を行うことが難しいケースもあり、近年では一部の後見人による不祥事も問題になっています。
なお2019年現在、後見人の約7割が弁護士、司法書士などの専門職が選任されており、また後見人には報酬として毎月約2~6万円、後見が終了するまで(ご本人が亡くなるまで)の支払いが必要となります。
入院・治療、施設入所費用に関するそなえ
民間の老人ホームなどの施設に入所する必要がある場合、入居時にかかる一時金として数百万円、毎月の施設利用料として数十万円かかることが想定されます。
そなえ方法
認知症保険
自分が認知症になったときにかかる治療費・入院費や老人ホームなどの施設に入所した際の利用料などの負担を補う保険に加入しておきます。
損害賠償に関するそなえ
認知症によって他人のものを壊してしまったり自動車の運転で事故を起こしてしまったり、また施設に入所している人にケガを負わせてしまったりする可能性があり、その際には損害を賠償しなければならないことも考えられます。
そなえ方法
損害賠償保険
自分が認知症になり他人のものを壊してしまったり、他人に危害を与えてしまったりしたときに備えて、損害賠償費用を補う保険に加入しておきます。
空き家の管理に関するそなえ
老人ホームなどの施設に入所された場合、ご本人が住んでいた自宅が空き家となり老朽化やゴミの不法投棄の懸念が生じます。また、施設の利用料や日用必需品生活費などの費用もまかなわなければなりません。
そなえ方法
自宅有効活用
リフォームして貸したり取壊して駐車場にしたり、空き家になった自宅を有効活用することで毎月の固定収入を得ることができます。